健康診断・人間ドック
人間ドックは、ご自身の健康管理のために非常に有益な検査です。
しかし、一般的な健康診断と何が違うのか、どんな検査が含まれるのかよくわからないという方も多いでしょう。
この記事では、人間ドックの基本情報から、健康診断との違い、当日の流れなどを詳しく解説します。
また、当院で実施している検査内容についても紹介するほか、人間ドックについてのよくある疑問についてもお答えします。
安心して受診するためにも、ぜひ参考にしてください。
人間ドックとは?
人間ドックとは、体全体を総合的にチェックするための精密な健康診断のことです。
体の状態を詳しく調べ、隠れた病気や将来の健康リスクの早期発見を目的とします。
特に、がんや生活習慣病、心血管系の疾患など、自覚症状が出にくい病気の発見に役立ちます。
自分の健康状態を定期的に見直すことで、病気の早期発見や治療、予防につなげられる貴重な機会といえるでしょう。
当院では次の健康診断の受診が可能です。
一般人間ドック
人間ドックは、全身の健康状態を総合的かつ精密に評価するための検査です。
当院では、一般的な検査項目に加え、脳MRI検査や内視鏡検査など、オプション検査も用意しております。
より詳しく状態を確認したい箇所がある場合は追加を検討して頂くこともできます。
また、人間ドックは、2018年にリニューアルオープンした健診センターで受診頂けます。
受診者専用スペースを設けており、清潔感あふれる検査エリア、明るく静かな待合エリアで、快適にお過ごし頂けます。
また、検査後には管理栄養士監修のお食事のご用意もあります。
婦人ドック
乳がんや子宮がんなど、婦人科特有の疾患の早期発見を目的とします。
検査内容は以下のとおりで、 一般人間ドックでは対象外となっている検査です。
- MRI:子宮がん、子宮筋腫などの子宮疾患、卵巣がん、卵巣のう腫などの卵巣疾患、内膜症などを確認する
- マンモグラフィ検査、または超音波による乳がん検診
健康診断と人間ドックの違い
健康診断と人間ドックでは、その目的や内容に大きな違いがあります。
健康診断は、法律で義務付けられている最低限の健康チェックです。
企業は労働安全衛生法に基づき、年に一度、必ず社員に定期健康診断を受診してもらわねばなりません。
検査項目は身長・体重測定、血圧、尿検査、血液検査など基本的なものに限られます。
働く人の健康状態を維持するためのスクリーニングが目的です。
一方、人間ドックは、任意で受ける精密検査です。
個々の健康状態に合わせてオプションを追加でき、胃カメラやCT、MRIなど高度な検査を受けることもできます。
病気の早期発見や予防を目的としており、健康診断では分からない隠れたリスクも発見できます。
人間ドックは健康診断よりも、将来への備えという意味合いが強いといえるでしょう。
このような症状はありませんか?
以下のような症状に心当たりはありませんか?
- 疲れが取れにくい
- 体重が急激に増減した
- 頭痛やめまいが頻繁に起こる
- 食後に胃もたれや胸やけを感じる
- 息切れや動悸が気になる
- 最近、健康診断を受けていない
これらの症状は、ストレスなどによる一時的なものかもしれません。
しかし、重大な疾患が隠れている可能性もゼロではありません。
人間ドックは、これらの症状の原因を明らかにし、早期発見や適切な対処を行うのに役立ちます。
「自分は大丈夫」と思わず、一度しっかりと体をチェックしてみることをおすすめします。
定期的な人間ドックは、健康寿命を伸ばします。
人間ドックの受診によって、生活習慣病やがんなどの早期発見が期待できます。
症状が進行する前に治療を開始すれば、早期に健康を取り戻せるはずです。
また、検査に基づいた生活改善のアドバイスを受けることで、病気の予防にもつなげられます。
特に、40代以降は健康リスクが高まる時期です。
長く自分らしい人生を楽しむためにも定期的に人間ドックを受けましょう。
健康寿命を伸ばすためには、自分の体の状態をきちんと把握することが何より大切です。
人間ドック当日の流れ
検査当日は、次のような流れで進めます。
受付
まずは、受付を済ませましょう。記入した問診票や検体も提出します。
受診にあたっての注意事項や検査の流れについての説明がある場合もあります。
着替え
健診着に着替えます。
アクセサリーや時計などの装飾品は外してください。
コンタクトレンズも外しましょう。
各種検査
案内に従って検査を受けます。
検査内容や項目は申し込んだコースやオプションによって異なります。
診察・結果の説明
検査が全て終了したら、医師による診察を受けます。
最終的な詳しい検査結果は後日になりますが、一次結果については当日に説明を受けられます。
結果によっては生活習慣についてのアドバイスを受ける場合もあります。
会計
検査費用を精算して終了です。
主な検査内容
人間ドックではさまざまな検査を受けられます。
ここでは代表的なものについて紹介します。
身体計測
主に以下の項目を計測します。
- 身長、体重:急激な変化がないか確認
- 腹囲:内臓脂肪の量を推測し、メタボリックシンドロームのリスクを評価
- BMI:体重と身長の比率から肥満度を数値化
- 肥満度:体重が標準値と比べてどの程度かをチェック
これらは生活習慣病や心血管疾患のリスクを評価する参考にされます。
循環器系検査
以下の検査によって心臓や血管の状態を確認します。
- 血圧測定:特に高血圧は動脈硬化や心臓病のリスクを高めるため、早期発見と管理が重要
- 心電図検査:不整脈や心筋梗塞、狭心症などの異常を発見する
呼吸器系検査
胸部X線撮影によって呼吸器系の異常の有無を確認します。胸部をレントゲン撮影することで、肺や気管支、心臓の状態がわかります。肺炎や結核、肺がん、気管支炎、心肥大、心臓病などの疾患を早期発見できます。
消化器検査
以下の検査によって、食道から大腸まで消化器全体の健康をチェックします。
- 食道・胃・十二指腸X線撮影:バリウムを飲み、各臓器の形や動きを確認する。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの早期発見に役立つ
- 腹部CT:肝臓、膵臓、胆嚢、腎臓などの臓器の状態を確認できる。腫瘍や炎症の早期発見に役立つ
- 便潜血反応:便に血液が含まれていないかをチェックする。大腸がんやポリープなどの早期発見に役立つ
頭部検査
頭部CTによって脳や頭部の健康状態を調べます。
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳腫瘍、頭蓋内の炎症や損傷などの早期発見に役立ちます。
尿検査
腎臓のはたらきを確認するために行います。主にチェックする数値は以下の通りです。
- 糖:糖尿病の可能性を確認する
- 蛋白:腎臓機能の低下や腎疾患の有無を調べる
- 潜血:尿路結石や膀胱炎、腎臓病、尿路がんの兆候を調べる
- 比重・pH:腎臓の濾過能力や酸性・アルカリ性のバランスを確認する
血液検査
体の健康状態を総合的にチェックする基本的な検査です。
主に下記の数値をチェックします。
- 白血球数、赤血球数、血小板数:貧血や感染症、血液疾患の有無を調べる
- 血糖値:糖尿病やそのリスクの評価
- コレステロール、中性脂肪などの脂質:動脈硬化や心血管疾患のリスクをチェック
- 肝機能(AST・ALT・γ-GTP):脂肪肝や肝炎、アルコール摂取によるダメージを調べる
- 腎機能(クレアチニン):腎臓のろ過能力を確認
眼科診察
目の健康状態をチェックするため、以下の検査を行います。
- 視力検査:近視や遠視、乱視、老眼などをチェックする
- 眼圧検査:緑内障の早期発見を目的に、目の中の圧力を測定する
- 眼底検査:瞳孔を通して眼底(網膜や視神経)を観察する。糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症、網膜剥離の兆候のチェック
聴力検査
オージオメーターという装置を使用してさまざまな音量、周波数の音を聞き取れるかチェックします。
乳腺ドック
乳がんの早期発見のため、マンモグラフィ、または超音波によって検査します。
案内から検査まで対応するスタッフは全て女性です。
できる限りリラックスして受診頂けるよう配慮を心がけていますので、不安に思うことは遠慮なくスタッフにご相談ください。
内視鏡ドック
胃がん、大腸がんの早期発見を目的に、最新の内視鏡検査機器による検査を実施しています。
上部内視鏡、下部内視鏡とも対応可能です。
よくあるご質問
ここでは人間ドックについてよくある質問とその回答を紹介します。
前日の食事について制限はありますか?
検査の10時間前までには食事を済ませてください。
暴飲暴食は避け、アルコールや刺激物の摂取も控えましょう。
水分については、お茶か水であれば適量を摂取してかまいません。
スポーツ飲料やコーヒーなどカフェインを含む飲み物、糖分を含む飲み物などは控えてください。
いつも飲んでいる薬は当日も服用してよいでしょうか?
かかりつけ医に相談してください。
服用する場合は、朝7時までにコップ1杯の水で飲むようにしてください。
生理中なのですが、尿検査や便検査を受けてもよいでしょうか?
正確な結果がでない可能性が高いため、受診日の変更をおすすめします。
妊娠中でも受診できますか?
X線撮影やMRI、CT、マンモグラフィーなどの検査は受けられません。
血液検査、尿検査、心電図検査、超音波検査は受診可能です。
結果はどれくらいで出ますか?
一次検査の結果であれば、当日にお伝えできますが、詳しい結果が出るまでには2週間程度かかります。
まずはお気軽にご相談ください
内視鏡検査は、早期発見や予防医療において非常に重要な検査です。
少しでもお身体の異常を感じたら、検査をおすすめします。