肛門外科
肛門の病気は、初期の段階では自覚症状が乏しいことが多く、気づいた時には病気が進行していることがあります。
日常生活に支障をきたす肛門の痛み、出血、かゆみなどの症状があれば、早めに肛門外科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
本ページでは、どんな症状がある場合に受診すべきか、肛門外科で診断できる病気、さらに当院で行える検査について詳しく解説します。
病気の早期発見・治療のためにも、ぜひ参考にしてください。
こんな症状がある方は、肛門外科の受診をおすすめします。
肛門外科は、肛門周辺の病気の診断と治療を行う専門分野です。
痔核、痔瘻、肛裂など、肛門の不快な症状でお悩みの方へ、専門的な知識と技術で治療を行います。
以下のような症状がある場合は、早めに肛門外科を受診しましょう。
- 排便時に血が出た
- 肛門に痛みや違和感がある
- 肛門から何かが出てくる
- 肛門周辺がかゆい
- 排便時に出し切れない感じがある
- 残便感がある
- 肛門周辺が腫れている
- 長期的な便秘や下痢が続く
適切な治療により、肛門の悩みから解放され、快適な生活を送ることができます。
肛門の病気は、一人で悩んでしまう方も多いですが、早めに専門医に相談することが大切です。
当院の肛門外科でできる検査
当院では、以下の検査を実施しています。
肛門鏡検査
肛門鏡という器具を使って、肛門内部を直接観察します。
小さな病変や出血なども見つけることができます。
10分程度の短い時間で直接観察するため、病変の有無や状態を正確に診断できます。
大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を観察する検査です。
大腸がんやポリープなどの病気を早期発見することができます。
また鎮静剤を使用することで、検査中の痛みや不安を軽減できます。
超音波検査
超音波検査では、高周波の音波を体内に送り込み、その音波が臓器や組織に当たって跳ね返ってくる様子を画像化します。
この画像を解析することで、肛門周囲の組織の厚さや、痔瘻の深さを調べます。
MRI検査
肛門や直腸の詳しい構造や病変の状態を画像で確認できます。
特に、深部の病変や複雑な痔瘻の診断に有用です。
肛門外科でわかる病気
肛門外科で診断する主な病気には、以下のようなものがあります。
痔核(いぼ痔)
痔核は、肛門の血管が腫れてできたいぼ状のものです。
排便時のいきみなどにより、肛門の内側や外側にでき、痛みや出血などの症状を引き起こします。
痔核には、内痔核と外痔核の2種類があり、以下のような特徴的な症状があります。
内痔核 | 肛門の内側 | 排便時に鮮血が出る、排便時に痔が肛門から飛び出る |
外痔核 | 肛門の外側 | 痛み、かゆみ、触ると硬いコブのように感じる |
そのほか、肛門が裂けたり、粘液状の分泌物が出たり、残便感が症状として挙げられます。
痔瘻(あな痔)
痔瘻は、肛門の周囲に膿がたまり、それが皮膚に開孔してできたトンネルのような状態を指します。
長引くことが多く、下記のような症状が見られるケースがあります。
- 肛門周囲にズキズキとした痛みを感じる
- 肛門周囲が腫れ、硬いしこりを感じる
- 発熱
- 膿や血が出た
- かゆみを感じる
放置していると、慢性的な炎症となり、治癒が遅れます。
肛門周囲の組織に広がり、より複雑な症状を引き起こすこともあるため、早めに受診しましょう。
肛裂(切れ痔)
肛裂とは、肛門の出口付近の皮膚が裂けてしまう状態を指します。
排便時に強い痛みを感じることが特徴です。そのほかにも以下のような症状が現れます。
- 排便時の激しい痛み
- 排便後、トイレットペーパーに血が付着する
- 便器が少し赤くなる程度の出血
- 排便後も数時間、ズキズキとした痛みが続く
- 肛門の腫れ
慢性化すると、肛門周囲の皮膚が硬くなったり、いぼ状のものができたりすることがあります。
また、痛みを恐れて排便を我慢するようになり、便秘が悪化することがあります。
まずはお気軽にご相談ください
内視鏡検査は、早期発見や予防医療において非常に重要な検査です。
少しでもお身体の異常を感じたら、検査をおすすめします。