内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査なら埼玉県日高市の岡村記念クリニック | 専門医常駐

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TREATMENT

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逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸や胃の内容物が食道に逆流してしまい、食道に炎症を起こす病気です。

原因

通常、食道と胃の間には下部食道括約筋という筋肉があり、胃の内容物が食道に逆流するのを防いでいます。

しかし、この筋肉がうまく働かなくなったり、胃の中の圧力が高まったりすることで、胃酸が食道に逆流してしまい、食道が炎症を起こします。

加齢や病気、肥満、妊娠、薬の副作用など、原因は様々です。

症状

以下のような症状がある場合、逆流性食道炎の疑いがあります。

  • 胸の中央部が焼けるような痛みを感じる(胸やけ)
  • 酸が口の中にまで逆流し、酸っぱい味がする
  • 胸が締め付けられるような痛みを感じる
  • 慢性的な咳
  • 声がかすれる
  • 喉の違和感

検査

主に、内視鏡検査で食道の粘膜に炎症や潰瘍などの異常がないか、直接観察します。

症状や既往歴などを考慮して、鼻から細いチューブを挿入し、食道内を確認する24時間pHモニタリング検査やインピーダンスpHモニタリング検査を行います。

治療

プロトンポンプ阻害剤など、胃酸の分泌を抑える薬が主に使用されます。

薬での治療で改善が見られない場合や、食道裂孔ヘルニアを伴う場合は、手術が検討されることがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、胃酸によって胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍ができる病気です。

どちらも「消化性潰瘍」と呼ばれます。

原因

主な原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が挙げられます。

この菌は胃に住み着き、胃酸の分泌を促したり、胃粘膜を直接攻撃したりすることで、潰瘍を引き起こします。

また、イブプロフェンやアスピリンなどの鎮痛剤や過度なストレス、喫煙が原因となる場合もあります。

症状

以下のような症状が現れることがあります。

  • みぞおちに痛みを感じる
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 吐血
  • 便が黒くなる

検査

内視鏡検査で、胃や十二指腸の粘膜に潰瘍の有無、大きさ、深さなどを直接観察します。

その後、病理検査や血液検査でがん細胞・貧血・炎症の有無や潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無などを調べます。

治療

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している場合は、抗生物質と胃酸分泌抑制剤を組み合わせて除菌治療を行います。

この治療により、多くの場合は潰瘍が治癒します。

しかし、薬物治療で改善が見られない場合や、合併症を伴う場合は、手術が必要になることがあります。

ピロリ菌・萎縮性胃炎

ピロリ菌は、胃の中に生息する細菌の一種です。

この菌は、ピロリ菌感染が長期間続くと、胃の粘膜が慢性的に炎症を起こし、胃酸を分泌する細胞が減少し、胃の粘膜が薄くなってしまう状態を萎縮性胃炎といいます。

原因

ピロリ菌は胃酸の強い環境下でも生きることができ、胃粘膜に感染して慢性的な炎症を引き起こします。

長期にわたる炎症だと胃粘膜が傷つき、萎縮します。

また胃の粘膜が腸のような組織に変化することがあります。

症状

萎縮性胃炎は、初期の段階では自覚症状がないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

  • 食後にお腹が重く感じる、膨満感がある
  • 食欲が減退し、体重が減少する
  • 貧血になる
  • 吐き気や嘔吐を感じる

検査

胃内視鏡検査で胃の粘膜を直接観察し、炎症や潰瘍の有無、萎縮の程度などを確認します。

そこで採取した胃の粘膜組織を顕微鏡で詳しく調べ、炎症の程度、萎縮の程度、そしてピロリ菌の有無を確認します。

検査前には、医師の指示に従い、絶食や下剤の服用などが必要な場合があります。

治療

ピロリ菌に感染している場合は、抗生物質と胃酸分泌抑制剤を組み合わせてピロリ菌を除菌します。

栄養療法として、ビタミンB12の不足を補うための治療や生活習慣の改善も大切になります。

アニサキス

アニサキスは、寄生虫の一種で、サバ、アジ、サンマなどの海産魚に寄生することが知られています。

アニサキスが原因となる食中毒を「アニサキス症」と呼びます。

原因

アニサキスは、魚介類の体内で幼虫として寄生しています。

この幼虫を生の魚介類と一緒に食べてしまうと、胃や腸で活性化し、人体に寄生しようとするため、食中毒を引き起こします。

症状

一般的に以下のような症状が現れます。

  • 食べた数時間後にみぞおちの激しい痛み
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 発熱
  • 下腹部痛

検査

内視鏡検査で胃の中にアニサキスがいるか直接確認し、必要であれば取り除きます。

そのほか血液検査でアレルギー反応や炎症反応の確認や、超音波検査で腹部内の様子を観察し、アニサキスによる病変がないか調べます。

治療

主に内視鏡検査によるアニサキスの摘出です。

胃カメラでアニサキスを見つけ次第、鉗子で掴んで取り除きます。

摘出後、激しい腹痛などの症状はすぐに改善されることが多いです。

まれに、アニサキスが腸に移動している場合や、アレルギー反応が強い場合は、痛み止め、吐き気止め、抗アレルギー薬を使用した薬物療法が行われることもあります。 

重要なのは、早期に医療機関を受診することです。

放置すると、症状が悪化や合併症を引き起こす可能性があります。

食道がん

食道がんは、食道という、口から胃へと食物を運ぶ管状の臓器にできる悪性腫瘍です。

原因

食道がんの原因は、まだ完全に解明されていませんが、喫煙が最も強いリスク因子の一つです。

加えて、過度の飲酒も食道がんのリスクを高めます。

そのほか熱い飲み物や塩分の多い食事、ビタミンAの摂取不足、一部の遺伝子変異が、食道がんのリスクを高める可能性もあります。

症状

食道がんは、初期には自覚症状がないことが多く、進行するにつれて以下の症状が現れることがあります。

  • 食べ物が通りにくく、詰まるような感じがする
  • 食欲不振や飲み込みづらさから、体重が減る
  • 胃酸が逆流して胸やけを起こす
  • 胸の中央部や背中に痛みを感じる

声がかすれる

検査

食道内に内視鏡を挿入し、直接観察することで、腫瘍の有無や大きさ、位置などを確認します。

内視鏡検査で採取した組織を病理検査にかけ、がん細胞の有無や種類を調べます。

CT検査やPET-CT検査では、がんの広がり具合や、周囲の臓器への浸潤の有無を詳しく調べます。

治療

がんの進行度や患者の状態によって異なりますが、早期がんの場合は、内視鏡を用いた手術や開腹手術によってがんを切除します。

進行しているがんの場合は、放射線治療や抗がん剤治療、またはこれらを組み合わせた治療が行われます。

場合によっては、手術と併用して行われることもあります。

胃がん

胃がんは、胃に発生する悪性腫瘍です。

日本人の死亡原因の上位に位置しており、早期発見・早期治療が非常に重要です。

原因

胃がんの原因はまだ完全に解明されていませんが、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染することで、胃炎や潰瘍を引き起こし、長期的には胃がんのリスクが高まります。

日頃の生活での塩分の多い食事や喫煙でも、胃がんのリスクを高める可能性があります。

症状

胃がんの初期症状は、自覚しにくいことが多く、進行するにつれて以下の症状が現れることがあります。

  • みぞおちあたりに痛みを感じる
  • 食欲不振
  • 吐き気、嘔吐
  • 胃もたれや膨満感を感じる
  • 貧血
  • 黒い便

検査

胃がんの診断には、胃カメラ、組織検査、CT検査、PET-CT検査などで腫瘍の大きさ、がん細胞の有無、がんの広がり具合、周囲の臓器への浸潤の有無などを調べます。

治療

がんの進行度や患者さんの状態によって異なりますが、早期がんの場合は、内視鏡を用いた手術や開腹手術によってがんを切除します。

そのほか抗がん剤や放射線治療でがん細胞を殺す治療を行います。

胃ポリープ

胃ポリープとは、胃の粘膜から生じる隆起した小さな腫瘍のことです。

胃の内壁が何らかの原因で盛り上がってできたもので、見た目は小さなイボのようにも見えます。

胃ポリープには、赤色で表面がざらついている過形成性ポリープと、表面が滑らかで白色をしている胃底腺ポリープがあります。

ポリープは早期に発見し、治療することが重要です。

原因

胃ポリープの原因は、まだ完全には解明されていませんが、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が、過形成性ポリープの原因の一つと考えられています。

加齢や遺伝喫煙、飲酒、不規則な食生活などの生活習慣が、胃ポリープの発生に影響を与える可能性があります。

症状

多くの場合、胃ポリープは自覚症状がありません。

そのため、健康診断などで偶然発見されることが多いです。

まれに、大きなポリープでは、以下のような症状が現れます。

  • 上腹部痛
  • 吐血
  • 貧血

検査

胃ポリープの診断には、内視鏡検査が用いられます。

内視鏡検査では、胃カメラを用いて胃の内壁を直接観察し、ポリープの有無、大きさ、形状などを確認します。

また、ポリープの一部を採取して、病理検査を行うことで、良性か悪性か、どの種類のポリープかを診断します。

治療

小さな胃底腺ポリープなど、がん化するリスクが低い場合は経過観察となるケースが多いですが、ポリープが大きい場合や、がん化するリスクが高い場合は、内視鏡を用いてポリープを切除します。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸の粘膜がイボのように盛り上がったもので、多くの人にできる一般的なものです。

大きく分けて腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープの2種類があります。非腫瘍性ポリープは、がん化する可能性が低いため、基本的には経過観察となりますが、腫瘍性ポリープは放置すると大腸がんになる可能性があるため、発見された場合は切除が必要です。

原因

大腸ポリープができる原因は、まだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因や生活習慣、加齢などが関係していると考えられています。

症状

大腸ポリープは、ほとんどの場合、自覚症状がありません。

そのため、定期的な大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受けることが大切です。

検査

大腸ポリープは、大腸カメラ検査で発見されることが多く、その場で切除することができます。

切除したポリープは、病理検査を行い、種類や悪性度を調べます。

治療

最も一般的なのが、内視鏡を使った治療法です。

内視鏡的治療で切除できないような大きなポリープや、がん化している疑いのあるポリープに対しては、手術が必要となることがあります。

定期的な大腸カメラ検査を受け、再発や新たなポリープの発生を早期発見することが大切です。

バレット食道

バレット食道とは、食道下部の粘膜が、胃の粘膜に置き換わった状態を指します。

通常、食道粘膜は扁平上皮で覆われていますが、胃酸の逆流によって食道粘膜が炎症を起こし、修復される過程で円柱上皮という胃の粘膜に似た組織に変化します。

原因

バレット食道の主な原因は、慢性的な胃酸の逆流です。

胃酸が食道に逆流することで、食道粘膜が繰り返し炎症を起こし、細胞が変性すると考えられています。

症状

バレット食道自体には、特有の症状はありません。

しかし、原因となる胃酸逆流によって、以下のような症状が現れることがあります。

  • 胸やけ
  • 胃酸が食道に逆流して口や喉の奥が酸っぱく感じる
  • げっぷが出る

検査

バレット食道の診断には、内視鏡検査(胃カメラ)が必要です。

内視鏡検査では、食道粘膜の状態を直接観察し、組織を採取して病理検査を行います。

治療

バレット食道の治療は、胃酸の逆流を抑えることが中心です。

生活習慣改善では、消化の良い食事、適正体重維持、禁煙が重要です。

薬物療法では、胃酸分泌抑制薬や消化管運動改善薬が用いられます。

内視鏡治療では、粘膜焼灼術や内視鏡的粘膜切除術があります。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome、IBS)とは、腸に器質的な異常(炎症や腫瘍など)が見られないにも関わらず、腹痛や便秘、下痢などの症状が慢性的に繰り返される病気です。

原因

IBSの明確な原因は解明されていません。

考えられる原因としては、ストレスや脳の異変、遺伝、腸内細菌のバランスの乱れが腸の機能に影響を与える可能性があります。

症状

IBSの症状は、人によって様々ですが、一般的な症状としては以下のものが挙げられます。

  • お臍のあたりや下腹部などに、こわばるような痛み
  • ガスが溜まったような張る感じの痛み
  • 便が硬い
  • 水様便や軟便
  • お腹が張って苦しい
  • ガスが溜まりやすい
  • 粘液便

これらの症状は、ストレスや特定の食品によって悪化することがあります。

検査

IBSの診断は、他の病気との鑑別が重要です。

そのため、問診、身体検査に加え、血液検査、便潜血検査、大腸内視鏡検査、大腸内視鏡検査などで大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病などの他の病気の可能性を排除し、IBSと診断されます。

治療

下痢型のIBSに対しては、下痢止めや整腸剤、消化管運動調節薬で腸の動きを整える薬を使用します。

また、体質や症状に合わせて、漢方薬が処方されることがあります。

日頃の生活から改善できる食事療法として、食物繊維を多く含む食品を摂取し、刺激の強い食品を避けるなど、食事内容を見直すことが大切です。

十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送るように心がけましょう。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、潰瘍やびらんを形成する病気です。

原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因や環境的な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

原因

潰瘍性大腸炎の明確な原因は解明されていませんが、家族に潰瘍性大腸炎の患者がいる場合、発症リスクが高まります。

免疫系の異常が原因の場合、免疫系が誤って腸の細胞を攻撃し、炎症を引き起こすと考えられています。

そのほか、喫煙、ストレス、食生活などが、発症に影響を与える可能性があります。

症状

一般的な症状としては以下のものが挙げられます。

  • 血便を伴う下痢
  • 下腹部痛
  • 発熱
  • 体重の減少
  • 貧血
  • 関節痛
  • 目がぼやける、かすれる、物が二重に見える
  • 眼球の奥に痛みを感じる
  • 充血

検査

潰瘍性大腸炎の診断では、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内壁を直接観察する大腸内視鏡検査が中心となります。

この検査により、炎症の程度や範囲、潰瘍の有無などを詳しく調べることができます。

加えて血液検査や便検査で、炎症の程度や白血球数、貧血の有無、感染症の有無を調べます。

場合によっては、腹部CT検査やMRI検査が行われることもあります。

治療

症状の程度や患者さんの状態によって異なりますが、炎症を抑える薬(5-ASA製剤、ステロイド剤など)が中心となります。

薬物治療で改善が見られない場合や、合併症を伴う場合は、手術が必要になることがあります。

クローン病

クローン病は、口から肛門までの消化管のどこかに、慢性的な炎症が起こる病気です。

炎症を起こした部分には、潰瘍や肉芽腫と呼ばれるこぶ状のものができ、腸が狭くなる狭窄や、腸に穴が開く穿孔といった合併症を引き起こすことがあります。

原因

クローン病の詳しい原因は、まだ解明されていません。

遺伝的な要因、免疫系の異常、腸内細菌との関係など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

症状

クローン病の症状は、人によって異なり、炎症を起こしている場所によっても異なりますが、一般的な症状としては以下のようなものがあります。

  • ・右下腹部痛
  • 下痢
  • 発熱
  • 体重減少
  • 肛門に潰瘍や裂傷ができ、痛みや出血がある
  • 関節痛
  • 目がぼやける、かすれる、物が二重に見える
  • 眼球の奥に痛みを感じる
  • 充血

検査

クローン病の治療は、薬物療法(炎症を抑える薬など)が中心ですが、症状や重症度によっては、栄養療法、外科手術なども選択肢となります。

症状が重篤な場合や合併症を伴う場合は、腸の狭窄部を切除するなどの手術が行われることもあります。

治療

クローン病の治療は、症状の程度や部位によって異なりますが、炎症を抑える薬(5-ASA製剤、ステロイド剤など)が中心となります。

薬物治療で改善が見られない場合や、合併症を伴う場合は、手術が必要になることがあります。

虚血性腸炎

虚血性腸炎とは、腸への血流が一時的に低下し、腸の組織が酸素不足に陥り、炎症を起こす病気です。

腸のどの部分が虚血を起こすかによって、症状や重症度が異なります。

放置すると重症化する可能性があるため、早期の診断と治療が大切です。

原因

動脈硬化による血管狭窄、血栓、動脈瘤、腸の捻転などが原因となり、腸の組織が酸素不足に陥り、炎症を起こします。

高齢者や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの基礎疾患を持つ人は、虚血性腸炎のリスクが高まります。

便秘は、虚血性腸炎の誘因となるため、注意が必要です。

症状

一般的な症状としては以下のようなものがあります。

  • 腹痛(特にへその左側の痛み)
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 腹部の膨満感

検査

虚血性腸炎の診断には、複数の検査を組み合わせることで、より正確な診断が可能です。

内視鏡検査、血液検査、腹部CT検査、超音波検査などで炎症や潰瘍、合併症の有無を調べます。

治療

軽症の場合は、絶食や点滴などによる支持療法で回復する場合が多いですが、腸が壊死している場合は手術が必要になります。

具体的には、壊死した部分を切除したり、人工肛門を造設したりする場合があります。

また、痛み止めや抗生剤などの薬物療法も行われることがあります。

大腸がん・直腸がん

大腸がんは、大腸(結腸や直腸)にできる悪性腫瘍です。

日本人の死亡原因の上位に位置しており、早期発見・早期治療が非常に重要です。

大腸がんは盲腸からS状結腸にかけて発生するがんを指し、直腸がんは直腸に発生するがんを指します。

原因

大腸がんの原因は、まだ完全に解明されていませんが、食生活、生活習慣、遺伝などが複雑に絡み合っていると考えられています。

具体的には、赤身肉や加工肉を多く摂取する、食物繊維が不足する食生活、肥満、喫煙、飲酒などがリスクを高める可能性が指摘されています。

また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患も、大腸がんのリスクを高めることが知られています。

症状

大腸がんの初期症状は自覚症状がないことが多く、進行するにつれて以下の症状が現れることがあります。

  • 便に赤い血が混ざる
  • 便に粘液が混ざる
  • 便秘や下痢
  • 便が細くなる
  • 残便感
  • 腹部にしこりや痛みを感じる
  • 貧血
  • 体重減少

検査

大腸がん・直腸がんの検査では、大腸内視鏡検査が最も重要です。

肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内壁を直接観察することで、ポリープや腫瘍といった病変を早期に発見できます。

また、組織を採取し、病理検査を行うことで、がん細胞の有無を確認します。

さらに、血液検査、CT検査、MRI検査なども併用し、がんの広がりや他の臓器への転移の有無を調べます。

これらの検査を総合的に判断することで、正確な診断を下すことができます。

治療

大腸がん・直腸がんの治療法は、がんの進行度や部位によって異なります。

主な治療法として、手術によるがんの切除、抗がん剤による化学療法、放射線療法が挙げられます。

早期がんであれば内視鏡で切除できる場合もありますが、進行がんの場合は、複数の治療法を組み合わせることが一般的です。

便潜血検査の陽性

便潜血検査とは、便の中に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。

肉眼では見えない微量の血液を化学反応で検出します。

健康診断や人間ドックでよく行われる検査の一つです。

原因

便潜血検査で陽性になるということは、消化器系のどこかに出血している可能性があることを示します。

主な原因となる病気は、以下のようなものがあります。

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 炎症性腸疾患
  • 肛門が裂けて出血する痔裂
  • 大腸の壁にできた小さな袋(憩室)から出血する憩室出血
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍

症状

一般的に、症状が出る場合は、下痢、便秘、腹痛、血便などがみられます。

ただし、便潜血検査が陽性だからといって、必ずしも自覚症状があるわけではありません。

症状がある場合は、他の病気でもみられるため、詳しい検査が必要です。

注意点

便潜血検査を受ける際には、食事や生理、服用中の薬の影響を受ける可能性があるため、注意が必要です。

特に、赤身肉やレバーなど、赤色の食品を摂取した場合や、生理中の場合は、検査結果が陽性になる可能性が高まるため、検査を避けるか、医師に相談しましょう。

また、一部の薬剤は、検査結果に影響を与えることがあるため、服用中の薬は医師に必ず伝えてください。

いぼ痔

いぼ痔(痔核)とは、肛門のクッションの役割をしている静脈叢がうっ血し、腫れてイボ状になった状態を指します。

排便時のいきみなどにより、肛門に負担がかかり、静脈が拡張することで起こります。

原因

主な原因は、便秘や下痢による排便時のいきみ、妊娠による腹圧の上昇、長時間の立ち仕事や座り仕事などによる血行不良などが挙げられます。

これらの要因が、肛門の静脈に負担をかけ、いぼ痔を引き起こします。

症状

一般的に以下のような症状が現れます。

  • ・排便時の出血
  • 肛門の違和感、かゆみ
  • 排便時に強い痛み
  • 肛門からイボ状のものが飛び出る

検査

いぼ痔の検査では、まず医師が肛門を直接見て、触診を行います。

腫れや出血などの症状を確認し、肛門鏡と呼ばれる器具を使って、肛門内部を詳しく観察します。

必要に応じて、大腸内視鏡検査を行うこともあります。 これは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の状態を詳しく調べる検査です。

これらの検査により、いぼ痔の種類や重症度を診断し、適切な治療法を選択します。

治療

軽症の場合は、軟膏や座薬などの薬物療法で痛みや炎症を抑え、生活習慣の改善で症状の悪化を防ぎます。

症状が重い場合は、ゴム輪結紮術や手術といった治療が必要になることがあります。

ゴム輪結紮術は、いぼの根元にゴム輪をかけて血流を遮断し、自然に脱落させる治療法です。

手術では、いぼを切除したり、肛門を支える筋肉を補強したりします。

切れ痔

切れ痔とは、肛門の出口付近の皮膚が裂けてしまう状態を指します。

正式には「裂肛」と呼ばれ、便秘などによって硬い便が出るときに、肛門の皮膚が裂けてしまうことで起こります。

原因

主に便秘が原因で起こります。硬い便が肛門を通過する際に、肛門の皮膚が裂けてしまい、傷ができる状態です。

その他にも、下痢による刺激や、肛門の清潔不足なども原因として考えられます。

また、出産や肛門の病気が原因となる場合もあります。

症状

以下のような症状が現れます。

  • ・排便時の激しい痛み
  • トイレットペーパーなどに付着する程度の出血
  • 肛門のかゆみ
  • 排便時に肛門が裂けるような感覚

検査

主に視診と肛門鏡検査で行われます。医師が肛門を直接観察し、裂け目の有無や深さなどを確認します。

肛門鏡を用いることで、より詳しく肛門内部を観察し、他の病気との鑑別も行います。

痛みを伴う検査の場合もありますが、麻酔を用いることで痛みを軽減できます。

治療

軽度の場合は、坐薬や軟膏による局所治療、温水洗浄、生活習慣の改善(食物繊維の摂取、水分補給など)で改善することが多いです。

しかし、症状が重度で、慢性化している場合は、手術が必要になることがあります。

手術には、肛門を切開して傷口を広げる手術や、肛門の狭窄を解除する手術などがあります。

痔ろう 

痔ろうとは、肛門の周囲に膿がたまり、それが皮膚に開孔してできたトンネルのような状態を指します。

このトンネルを瘻管(ろうかん)と呼びます。

原因

痔ろうの主な原因は、肛門腺の感染です。肛門腺は肛門の内側にあり、分泌液を出しています。

この肛門腺に細菌が感染し、膿がたまると、肛門周囲に腫れや痛みを生じます。膿が自然に排出される際に、皮膚に穴が開き、瘻管が形成されます。

症状

以下のような症状が現れます。

  • ・肛門周囲の痛み、腫れ
  • 肛門周囲から膿や血が出る
  • かゆみ
  • 発熱

検査

痔ろうの検査では、まず医師が肛門を視診し、触診を行います。

さらに、肛門に指を入れて内部の状態を調べる肛門指診が行われます。

肛門鏡と呼ばれる器具を用いて、より詳細に肛門内部を観察することもあります。

CT検査やMRIなどの画像検査は、瘻管の深さや広がりをより詳しく調べるために用いられ、超音波検査は、瘻管の位置や深さを確認するのに役立ちます。

これらの検査結果を総合的に判断し、痔ろうの診断を行います。

治療

痔ろうは自然に治ることはなく、手術が必要な病気です。

治療法としては、切開排膿術(膿を排出する手術)、セットン法(ゴム紐で徐々に瘻管を閉鎖する)、切除術(瘻管を完全に切除する手術)などがあります。

どの治療法を選択するかは、痔ろうの深さや広がり方など、患者さんの状態によって異なります。

手術後も、傷口のケアや定期的な通院が必要になります。

異物誤飲

異物誤飲とは、誤って異物を口の中に含み、飲み込んでしまうことです。

特に、小さなお子様や高齢者、意識が混濁している方は誤飲のリスクが高まります。

誤飲した異物の種類や大きさ、飲み込んだ場所によって、症状や治療法が異なります。

原因

誤飲しやすいのは、好奇心旺盛な小さなお子様や、歯が抜けたり飲み込む力が弱くなりがちな高齢者です。

また、意識が混濁している状態や、精神的な疾患がある場合も、誤飲のリスクが高まります。

症状

誤飲した異物の種類や大きさ、飲み込んだ場所によって症状は異なりますが、一般的には以下のような症状が現れます。

  • ・呼吸困難
  • 窒息
  • 食道や胃の痛み
  • 吐き気、嘔吐
  • 飲み込みにくくなる

検査

異物誤飲の検査では、まず、X線検査を行い、金属などの硬い異物の有無を確認します。

内視鏡検査では、食道や胃の中を直接観察し、異物の種類や位置を特定します。

CT検査では、より詳細な画像を得ることができ、異物がどこまで移動しているかを確認できます。

超音波検査は、軟らかい組織内の異物を探す際に有効です。

治療

内視鏡を用いて異物を直接取り出す方法が一般的です。

しかし、異物が小さくて消化管を通過できると判断される場合は、自然排出を待つこともあります。

また、異物が気管に入っている場合は、気管切開など緊急の手術が必要になる場合もあります。

内視鏡検査は早期発見が大切です
まずはお気軽にご相談ください

内視鏡検査は、早期発見や予防医療において非常に重要な検査です。
少しでもお身体の異常を感じたら、検査をおすすめします。