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TREATMENT

炎症性腸疾患(IBD)

下痢や腹痛などの症状が続く場合は、IBD(炎症性腸疾患)の疑いがあります。

IBDは、原因不明の慢性的な病気ですが、適切な治療を受けることで、症状をコントロールし、日常生活を送ることができます。

このページでは、IBD(炎症性腸疾患)とはというところから、原因や症状などを詳しく解説します。

こんな症状はありませんか?

炎症性腸疾患(IBD)は、消化管に炎症が起こり、腹痛や下痢などの症状が続く病気です。

症状は人によって異なり、現れる場所や強さも様々です。

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診して原因を確かめることが大切です。

  • 下痢が長期間続く(ときに血便を伴う)
  • 腹痛やおなかの不快感が頻繁にある
  • 体重減少や栄養不良が進んでいる
  • 慢性的な疲労感や発熱

IBDは放置すると症状が悪化するリスクがありますが、適切な治療と食事・生活習慣の見直しによって、日常生活の質を維持しやすくなります。

自分の体調をしっかり把握し、気になる症状があれば専門医に相談してみましょう。

IBD(炎症性腸疾患)とは

IBD(炎症性腸疾患)とは、腸に慢性的な炎症を起こす病気の総称です。

主な疾患として、潰瘍性大腸炎とクローン病が挙げられます。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症が起きる病気で、難病に指定されています。

この病気は、ここ40年ほどで患者さんが増えているものの、なぜ起こるのか、はっきりとした原因はまだわかっていません。

主な症状

潰瘍性大腸炎の主な症状は粘血便や血便、下痢、腹痛が挙げられます。

粘血便とは体から分泌される粘り気のある液(粘液)を含む血便です。

血便は血液が混じっている状態の便を指し、紙に付着する程度のものから、便器が真っ赤に染まるものまであります。

便の色は基本的に赤味がかかった色ですが、赤黒い場合もあります。

潰瘍性大腸炎の症状がひどい時は、便は出ず、血液だけが排出される場合もあります。 

症状の程度は、人によって様々で、1日に10〜20回以上の下痢をすることもあります。

また、お腹を押されるような鈍い痛みや、ひどい場合は刺すような鋭い腹痛が起こることもあります。

合併症

潰瘍性大腸炎は大腸に炎症が起きる病気ですが、炎症が悪化した場合や長期化した場合には合併症が起こる可能性があります。

合併症は、合併症が起こる部分によって「腸管合併症」と「腸管外合併症」の2種類に分けられ、以下のような症状が起こります。

腸管合併症大量下血、大腸穿孔※1、大腸狭窄※2、大腸がん
腸管外合併症関節炎、皮膚病変、眼の病変 

※1 大腸やその組織に穴が開いてしまう状態

※2 本来開いているべき管状の器官や構造物が、何らかの原因で狭くなってしまう状態

クローン病

炎症性腸疾患の一つであるクローン病は、近年患者数が増加し続けている難病です。

10代から30代で発症することが多く、全身の消化管に炎症が発症する上に根本的に治癒させる方法が確立されていません。

自覚症状があらわれ、クローン病の発症が疑われる場合はまず受診することが大切です。

主な症状

クローン病の主な初期症状は、腹痛と下痢です。

これらは半数以上の患者さんにみられ、さらに発熱や体重減少、貧血などの症状が起きることもあります。

腹痛は炎症が起こりやすい大腸と小腸の境目付近に当たる右下腹部に多く発生します。

合併症

クローン病では、腸管や腸管外に合併症が起きる可能性があります。代表的なものは以下の通りです。

狭窄大腸壁が厚くなり、腸の内腔が狭くなる状態です。
これにより、食物が通過しにくくなり、腹痛や嘔吐、便秘などの症状が現れます。
瘻孔腸管に穴があき、他の臓器(膀胱、膣など)や皮膚とつながってしまう状態です。
これにより、腹痛、発熱、膿の排出などの症状が現れます。
膿瘍腸管の壁の中に膿が溜まる状態です。
穿孔腸管に穴が開き、腸の内容物が腹腔内に漏出してしまう状態です。
これは緊急手術が必要な重篤な合併症です。
出血腸の粘膜が損傷し、出血することがあります。
がん長期にわたる炎症が原因で、大腸がんのリスクが高まります。

関節炎や眼、皮膚、肝臓、腎臓の病気など様々な合併症を引き起こす可能性があります。

IBDの原因

IBDの原因は、まだ完全に解明されていません。

以下のような要因が複雑に絡み合い、腸の免疫系が過剰に反応することで、慢性的な炎症が起こり、IBDが発症すると考えられています。

遺伝的要因

家族にIBDの患者がいる場合、発症リスクが高まります。

特定の遺伝子との関連性が指摘されています。

免疫系の異常

免疫系が誤って腸の細胞を攻撃し、慢性的な炎症を引き起こすと考えられています。

腸内細菌とのバランスが崩れることも、免疫系の異常に関与していると考えられています。

環境要因

加工食品、高脂肪食、喫煙などがリスクを高める可能性があります。

そのほかウイルスや細菌の感染、ストレスがIBDの発症や悪化に関与している可能性が指摘されています。

腸内細菌との相互作用

腸内細菌のバランスが崩れることで、免疫系に異常を引き起こし、IBDの発症に関与すると考えられています。

IBD症状セルフチェック

気になる症状がある方はチェックしてみましょう。

繰り返しの腹痛や下痢などの症状をセルフチェックできます。

  • 慢性的に下痢が続いている。
  • 夜間の就寝中などに、腹痛で目が覚めたり、排便(下痢)のためにトイレに何度か行きたくなったりする。
  • お腹が張る、腹痛などの症状が慢性的に続いている。
  • 血の混じった便や血液だけが出ることがある。
  • 肛門周囲に痛みや腫れ(はれ)がある、または膿(うみ)が出ている。
  • ダイエットなどをしていないのに体重減少がある。(3か月前と比べて著明な体重減少がある)
  • 原因不明の熱(37.5℃以上)が数日以上続くことがある。
  • 便意はあるのにガスだけ、または何も出ないことがある

1つでもチェックがある場合は腹痛や下痢、血便を繰り返す体質の傾向があります。

正しい診断を受けるために、消化器内科の受診をおすすめします。

内視鏡検査は早期発見が大切です
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内視鏡検査は、早期発見や予防医療において非常に重要な検査です。
少しでもお身体の異常を感じたら、検査をおすすめします。