Treatments
中絶手術
中絶手術は、望まない妊娠に直面した女性にとって大きな決断を伴う、避けては通れない選択肢の一つです。
身体的な負担だけでなく心理的な負担も大きいことから、安易な決断は避け、信頼できる医療機関で十分なカウンセリングを受けることが不可欠になります。
このページでは、中絶手術の種類や方法、リスクなど、気になる点について詳しくご紹介します。
中絶手術ができる条件
妊娠22週未満(妊娠21週と6日まで)の中絶を認められています。
妊娠週数が増えるにつれて、手術の難易度やリスクも高まるため、早期判断が必要です。
第14条第1項では、以下の3つの場合に該当し、本人及び配偶者の同意を得ることで中絶手術が認められます。
母体にとって健康リスクが高い場合
妊娠の継続や出産で、母体の身体的または精神的な健康が著しく損なわれる恐れがある場合(重度の心臓病、妊娠高血圧症候群など)は中絶手術が認められます。
経済的な理由で妊娠を継続できない場合
生活費や医療費を捻出できない場合や、住居や教育環境など、子どもを養育するための環境が整っていない場合は中絶手術が認められる場合があります。
ただし母体の健康状態や、家族の状況なども総合的に判断されるため、医師の判断が重要です。
暴行や脅迫によって妊娠を拒否することができない場合
原則として配偶者の同意が必要ですが、強制性交やDVがある場合は例外として適応されます。
もちろん、婚姻していない場合は胎児の父親の同意は法律上必要とはされません。
場合によっては、警察への相談も検討しましょう。
中絶手術の種類
中絶手術には、妊娠週数によって異なる2種類の方法があります。
初期中絶
治療方法
妊娠12週未満に行われる手術で、吸引法が一般的です。
吸引法は、まず子宮口を柔らかくする器具を挿入し、翌日に麻酔をかけて子宮内の胎児や胎盤を吸引(または掻爬)によって取り出す方法です。
多くの施設では日帰りで行われますが、一部の施設では1泊2日の入院が必要な場合もあります。
費用
約10万〜 20万円
+初診料+検査料1万〜2万円
費用はその地域や医療機関によって大きく異なります。
妊娠週数が増えるにつれて費用がかかり、女性の体への負担も大きくなるため、早期の妊娠発覚が重要です。
そのため、月経周期を把握し、数日遅れた場合は早めに妊娠検査薬を試すことをおすすめします。
中期中絶
※ 当院では実施しておりません。
治療方法
入院をしてから子宮の入り口を柔らかくする処置を受け、子宮収縮剤で陣痛をつけて分娩させる方法が一般的です。
初期中絶のほうが女性の体への負担が小さく、回復も早いです。
費用
約30万〜50万円
+初診料+検査料1万〜2万円
中期中絶になると、分娩費用と変わらなくなります。
中絶手術のリスク
中絶手術は、妊娠を中絶するための外科的な処置であり、以下のようなリスクが伴います。
安全性は高まっていますが、決して安全な手術ではありません。
- 出血
- 感染症
- 子宮穿孔(子宮に穴が開いてしまう可能性)
- 不完全流産(子宮内に胎児の組織が残ってしまう可能性)
- 麻酔のリスク
- 将来の妊娠への影響
- 心理的な影響
手術を受ける前に、十分な情報を集め、信頼できる医師とじっくり相談することが大切です。
中絶手術は、決して安易に決断すべきものではありません。
もし、中絶を検討している場合は、一人で悩まずに、まずは婦人科に相談することをおすすめします。
専門家のアドバイスを受けることで、あなたにとって最善の決断を下すことができるでしょう。
中絶手術による妊娠・不妊症への影響
中絶手術を受けた後、将来妊娠できるかどうかを心配される方は多いでしょう。
結論から言うと、通常の中絶手術を受けたからといって、必ずしも不妊になるわけではありません。
中絶手術の方法や術後の経過が順調であれば、ほとんどの場合、再び妊娠することは可能です。
しかし、手術によって子宮内膜に損傷が生じたり、感染症を起こしたりした場合には、不妊の原因となる可能性もゼロではありません。
中絶手術後、不妊になるリスクを減らすためには、以下の点に注意することが大切です。
- 信頼できる医療機関で手術を受ける
- 医師の指示を守り、安静にするなど、身体を休ませる
- 定期的な検診を受ける
中絶手術は、女性にとって大きな決断です。
手術を受ける前に、医師とよく相談し、不安な点があれば何でも尋ねることが大切です。
中絶手術の流れ
中絶手術を受けるには、以下の流れで行います。
受診
- 検査
尿検査や超音波検査、血液検査などを行い、妊娠しているかどうか、手術を受ける上での健康状態を確認します。 - 手術の説明
手術の内容、リスク、メリット、デメリットについて、医師から詳しく説明を受けます。 - カウンセリング
中絶手術は大きな決断です。事前に不安な点があれば気軽に相談ができます。
手術の準備
医師と相談して、手術の日を決めます。
手術内容について理解し、同意書に署名します。
手術当日
麻酔をかけ、痛みを感じない状態で手術が行われます。
手術時間は、妊娠週数や方法によって異なりますが、通常は30分~1時間程度です。
しばらく安静にして、状態が安定すれば帰宅できます。
術後
手術後は、定期的に医師の診察を受け、出血や感染などの異常がないか経過を観察します。
必要に応じて、心のケアやカウンセリングなどの心理的なサポートも受けられます。

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