Treatments
一般婦人科外来
一般婦人科外来とは
一般婦人科は、思春期から老年期までの女性特有の健康に関する相談や診療を行う診療科です。
月経に関する悩み、不正出血、おりものの異常、生理痛、性感染症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、婦人科悪性腫瘍、更年期障害など、様々な症状に対応しています。
このページでは、一般婦人科外来と代表的な診断内容、症状、治療方法を詳しく紹介します。
身体の変化に気づいたら、一人で悩まずに婦人科を受診しましょう。
こんなお悩みはありませんか?
- 生理痛がひどい
- 生理周期が不規則
- 経血量が極端に多かったり少なかったりする
- 生理以外の時期に出血がある
- 生理前にイライラしたり、気分が落ち込んだりする
- 性交痛
- 下腹部痛
- 更年期障害
- おりものの量や色、においが異常
- 避妊したい
- 性感染症
月経周期の異常
通常、月経周期は25~38日とされていますが、周期が極端に短い(頻発月経)または長い(稀発月)場合、ホルモンバランスの乱れやストレスが原因となることがあります。
周期 | 月経不順:月経周期が不規則で次の月経の予測がつかない 頻発月経:月経周期が24日以内 稀発月経:月経周期が39日以上 無月経:3か月以上月経のない状態 |
出血期間 | 過長月経:1回の月経が8日以上続く 過短月経:1回の月経が2日以内で終わる |
経血量 | 過少月経:経血の量が非常に少ない 過多月経:経血の量が非常に多い |
不正出血 | 月経時期以外の出血 |
月経不順や無月経の症状からなる、多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome : PCOS)は、妊娠が可能な年齢の女性の約5~10%にみられ、排卵障害が起こることで不妊の原因の約40%を占めるとも言われています。
治療せずに長期間放置すると不妊の原因になるだけでなく、子宮体がんやメタボリックシンドロームなどのリスクが高くなるといわれています。
症状
- 周期が不規則
- 経血の量が多い
- 経血の量が少ない
- 生理痛が強い
治療方法
原因によって異なりますが、女性ホルモンの分泌量が少ない場合にはホルモン剤の投与が行われ、排卵が起きていない場合には排卵誘発剤が使用されることもあります。
また、子宮や卵巣に器質的な病気がある場合には、手術によって根治的な治療が行われることもあります。
PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)とは、月経前の3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経が始まると改善するという特徴があります。
女性の約8割が何らかのPMS症状を持っており、その2割は治療が必要なほどの中等度のPMSがあります。
中でも、精神症状が主体で強いものを月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder, PMDD)といいます。
症状
- 抑うつ
- 怒りっぽい
- 些細なことでもイライラしてしまう
- 不安や混乱
- 頭痛
- 体重増加
治療方法
中等症以上のPMSでは、薬物治療などの対応が必要になります。薬物治療には以下のような方法があります。
排卵抑制療法 (排卵を抑える治療法) | 副作用が少ない低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は少ないホルモン量で排卵を止めます。 |
症状に対する治療法 | 痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどの水分貯留症状に対しては利尿剤や抗アルドステロン療法(尿量を増やす治療法)、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬物療法(脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を使用します。 |
漢方療法 | 個人の症状や体質に合わせて、漢方薬を使用します。 当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などがよく選択されています。 |
下腹部痛
子宮や下腹部のチクチクした痛みは、排卵痛や子宮内膜症、子宮頸がんのほか、PMSなどが原因として考えられます。
症状
- 下腹部の鈍痛や圧迫感がある
- 痛みが継続的または周期的に起こる
治療方法
婦人科エコー検査、性感染症検査、血液検査(炎症反応や腫瘍マーカーなど、注射によるしこりの縮小、 手術によるしこりの切除)により、回復を目指します。
おりものの異常
おりものの異常は色や量、においの変化として現れます。
黄色や茶色、悪臭を伴う場合、感染症やホルモン異常が疑われるため、早めの婦人科受診が大切です。
症状
- おりものの量が増える
- 色や匂いが異常
- 痒みや痛みがある
治療方法
症状によって異なりますが、感染症が原因の場合は抗菌薬や抗ウイルス薬、ホルモンバランスの乱れが原因の場合はホルモン治療などを行います。
不正出血
不正出血は月経時以外の時期に起こる異常出血で、ホルモンバランスの乱れや子宮筋腫、子宮頸がんなどが原因の場合があります。
症状
- 月経以外の時期に出血がある
- 性交後に出血する
治療方法
ホルモンバランスの乱れで出血量が多い場合や出血が続く場合は、ホルモン剤を服用して出血をコントロールします。
炎症が原因の場合は、原因となる細菌に効果のある抗生物質を処方し、膣の洗浄などを行います。
妊娠初期症状
月経周期が規則正しい人の場合、月経が2週間も遅れると妊娠している確率は高いといわれています。
しかし、月経不順の人にとって、月経の遅れにより妊娠に気づくことは難しいかもしれません。
以下のようなときに症状があれば、婦人科への受診をおすすめします。
症状
- 月経が止まる
- 吐き気や食欲不振、特定の食べ物の嫌悪感
- 胸の張りや痛み
- 身体がだるく感じる
- 異常な眠気が現れることがある
- 食べ物の好みが変わる
治療方法
自宅療養や勤務時間の短縮により、経過観察を行います。
症状が重い場合は、入院加療となる場合もあります。
更年期
更年期には、女性ホルモンの減少により、ほてりや発汗、動悸、イライラ、不眠といった身体的・精神的な症状が現れます。
これらの症状は個人差が大きいため、適切な医師のサポートを受けることが重要です。
症状
- 急に体が熱くなる
- 大量の汗をかく
- 寝つきが悪くなることや、夜中の目が覚めることが増えた
- イライラや憂鬱、不安感が頻繁にある
治療方法
減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充するホルモン補充、漢方薬、抗うつ薬・抗不安薬などによる治療を行います。
性感染症
性感染症は、主に性行為を通じて感染する感染症の総称です。
様々な種類があり、症状や重症度も様々です。早期発見・治療が大切になります。
症状
- クラミジア: 排尿痛、おりものの増加
- 淋菌感染症: 男性は尿道炎、女性は子宮頸炎など
- トリコモナス症: かゆみ、おりものの増加、悪臭など
- 性器ヘルペス: 水疱、痛み、発熱など
- 尖形コンジローマ: 性器や肛門にイボ状のものができる
- 梅毒: 痛みのない潰瘍や全身に発疹ができる
- エイズ: 免疫力が低下し、様々な感染症にかかりやすくなる
治療方法
性感染症の治療は、病原体によって異なります。
細菌が原因のクラミジアや淋菌感染症には、抗生物質が効果的です。
一方、性器ヘルペスなどのウイルス性の感染症には、抗ウイルス薬が使用されます。
病気によっては、手術や免疫療法が必要になる場合もあります。
ピルの処方
ピル(経口避妊薬)を正しく服用すると約99.7%の避妊効果があります。
避妊以外にも、避妊薬としてだけでなく、女性の健康維持にも役立つ薬です。
効果
ピル(経口避妊薬)は、避妊効果はもちろん、様々なメリットがあります。
- ほぼ100%の避妊効果
- 生理周期の安定
- 月経痛の軽減
- 月経量の減少
- ニキビの改善
- 子宮内膜症や卵巣嚢腫のリスク軽減
- 子宮体がんのリスク軽減
しかし、ピルには副作用もあるため、注意が必要です。
服用前に必ず医師に相談し、自分の体質に合ったピルを選びましょう。

一人で悩まず、お気軽にご相談ください
女性の体の悩みはデリケートなものが多く、診療が必要かどうか悩まれる方も多くいらっしゃいます。 岡村記念クリニックでは、どんな小さなお悩みやご相談にも親身になって対応いたします。