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低用量ピル

低用量ピルとは

低用量ピルは、妊娠を防ぐだけでなく、様々な女性特有の悩みの改善にも役立つ医薬品です。

避妊効果はもちろん、生理痛の軽減や月経周期の安定など、多くの女性に選ばれています。

しかし、どんな人にでも合うわけではなく、副作用が出ることもあります。

このページでは、低用量ピルの効果や副作用、選び方などについて詳しく解説します。

こんな方におすすめです。

  • 性交渉による妊娠を確実に防ぎたい
  • 生理痛がひどい
  • 生理周期が安定しない
  • 生理前にイライラしたり、気分が落ち込んだりする
  • ニキビで悩んでいる
  • 生理の出血量が多い

ピルの種類

エストロゲンとプロゲステロンの量によって、効果や目的が異なります。

種類エストロゲンの量
(1錠中)
効果
高用量ピル50μg以上高い避妊効果
中用量ピル50μg短期間で月経の移動が可能
低用量ピル30μg~35μg避妊・月経前症候群(PMS)、子宮内膜症、肌荒れやニキビの改善
超低用量ピル30μgより少ない生理痛の緩和・生理不順の改善・月経前症候群(PMS)、肌荒れやニキビの改善

エストロゲンの量を最も多く含む「高用量ピル」は副作用が強く、現在ではほとんど使用されていません。

ピルは副作用のリスクがあるため、自分の目的や体にあったものを選ぶことが大切になります。

低用量ピルの効果

ここでは代表的な低用量ピルの効果について紹介します。

避妊効果

ピルの避妊効果は、99.7%と非常に高いと言われており、コンドームなどの他の避妊方法と比較しても、高い避妊効果が期待できます。

ただし、飲み忘れや、嘔吐などで薬が体内に吸収されない場合などは、避妊効果が低下する可能性があるため、注意が必要です。

低用量ピルを服用することで、子宮内膜に以下のような変化が起こります。

変化効果
子宮内膜の薄層化低用量ピルに含まれるホルモンが、子宮内膜の増殖を抑制します。
そのため、子宮内膜が薄くなり、月経時に剥がれ落ちる量も少なくなります。
プロゲステロンによる安定化プロゲステロンというホルモンが子宮内膜を安定させ、月経出血を規則的にします。
受精卵着床の抑制子宮内膜が薄くなることで、万が一受精卵ができたとしても、子宮内膜に着床しにくくなります。

子宮内膜を薄くし、安定させることで、生理痛の軽減や経血量の減少、月経周期の安定といった効果をもたらします。

これらの効果は、低用量ピルが避妊薬としてだけでなく、月経困難症などの治療薬としても用いられる理由の一つです。

月経に関する症状の改善

生理痛や月経周期の安定、経血量の減少生理痛や月経周期の安定、経血量の減少などに効果があります。

低用量ピルを服用することで生理痛の原因となる物質の分泌を抑え、子宮の収縮を弱めることで痛みを軽減します。

また、子宮内膜を薄くする効果があり、出血量の減少、生理周期の安定につながります。

しかし、経血量が減らない場合もあります。その原因としては以下のようなケースです。

  • ピルが体質に合わない
  • 子宮筋腫や子宮内膜症など、他の病気の可能性
  • 飲み忘れ

このような場合は、まず医師に相談しましょう。

別のピルへの変更や他の治療法を検討することが必要です。

その他の効果

避妊や月経に関する効果だけでなく、以下のような効果もあります。

PMS(月経前症候群)の改善

低用量ピルを服用することで、体内のホルモンバランスが安定し、PMSの原因となるホルモンの急激な変動を抑えることができます。

イライラ感、うつ状態、頭痛、むくみといった様々な症状の軽減が見込めます。

ニキビの改善

低用量ピルが皮脂の分泌を抑制し、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑える働きがあります。

ホルモンバランスを整えることで、肌のターンオーバーを正常化し、肌の質を改善する効果も期待できます。

ただし、個人差があり、全ての人の肌に合うとは限りません。

飲み始めは、一時的にホルモンバランスが乱れ、ニキビが悪化する可能性もあります。

子宮内膜症の治療

子宮内膜症による下腹部痛や腰痛を改善し、その進行を抑制します。

卵巣がんや子宮体がんのリスク減少

排卵回数が減ることで卵巣がんの発症リスクが下がり、子宮内膜を薄く保つことで子宮体がんの発症リスクが下がります。

ピルの副作用・リスクについて

副作用

以下のような症状が出る場合があります。

  • 吐き気、嘔吐
  • 頭痛
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • イライラ感や憂うつさ

副作用が気になる場合は医師に相談し、自分に合ったピルを選ぶことが大切です。

血栓症のリスク

低用量ピルに含まれる女性ホルモンには、血液を凝固しやすくする作用があります。

血管内に血の塊(血栓)ができて、血流が妨げられる血栓症のリスクがわずかに上がることが知られています。

特に喫煙者や高血圧の人などは、注意が必要です。

万が一飲み忘れてしまったら

万が一飲み忘れてしまった際は、以下の処置を取りましょう。

1日分の飲み忘れの場合

気づいた時点で、すぐに1錠飲みましょう。

その日の通常飲む時間にもう1錠追加して、合計2錠飲みます。避妊効果は通常通り持続します。

2日分の飲み忘れの場合

気づいた時点で、2錠飲みましょう。

その後、7日間はコンドームなどの追加の避妊方法を併用してください。

避妊効果が弱まっている可能性があるため、性行為を控えるか、他の避妊方法を併用することが大切です。

3日以上の飲み忘れの場合

次の生理が始まるまで服用を中止し、次の生理の初日から新しいシートを始めてください。

その間は、コンドームなど、他の避妊方法を併用することが強く推奨されます。

避妊効果が大幅に低下するため、妊娠する可能性が高まります。 

よくある質問

ピルを飲むと太りますか?

低用量ピルを飲むこと自体が直接的に太る原因になるわけではありません。

「低用量ピルを飲むと太る」というイメージは、一部の女性が経験する副作用であるむくみや食欲増進から来ていると考えられます。

ピルを飲み忘れたらどうすればいいでしょうか?

できるだけ早く1錠飲み、医師に相談しましょう。

低用量ピルは、毎日決まった時間に服用することで体内のホルモンバランスを一定に保つことができ、避妊効果を発揮します。

ただし、飲み忘れた回数やタイミングによって対処法は異なります。

自己判断せず、必ず医師の指示に従いましょう。

低用量ピルを飲むことで、将来妊娠しにくくなりますか?

低用量ピルを服用したからといって、将来妊娠しにくくなるということはありません。

ピルの服用をやめれば、通常1~3ヶ月程度で排卵が再開し、妊娠が可能になります。

超低用量ピルと低用量ピルの違いは?

以下のような違いがあり、大きく目的が異なります。

超低用量ピル低用量ピル
主成分エストロゲン量が1錠30μg~35μgエストロゲン量が1錠30μgより少ない
主な効果月経困難症、子宮内膜症などの治療避妊、月経周期の調整、PMSの改善など
処方治療目的のみ避妊目的も含む

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